どうだ暗くなつたろう

twitterじゃ冗長すぎることとか書いても仕方ないけど書きたいことを書きます

人生の起承転結は済んだ(起)

就職活動をしないまま大学を卒業したわたしは、立派なフリーターとして社会に放たれた。

大学生活についてはまた今度書きたいと思うが、とりあえずネットやtwitterに毒されすぎていた当時のわたしには「シューカツ」という言葉が恐怖、憤りを感じるものでしかなく、また単位もボロボロと落としていたため、卒業することで精一杯だった。

今までの人生における岐路(高校受験、大学受験)と違い、シューカツは自分が行動しなければ自然とその時期が終わって、取り残されてしまうのだと気づいたのは4年生の3月のことだ。

 

 

2年ほどフリーターを続けて25才、初めてまともに就職活動をした。

要因は色々ある。25才という年齢、母親との不和、当時働いていた職場を辞めたくなったこと。中でも一番大きかったのは「正社員コンプレックス」だと思う。

「月金9-18」「正社員」更には「OL(会社員)」というのがこの世のマジョリティで、そこに属さなければ真人間ではないという気がしていた。

もちろんそうでない真人間もたくさんいるのはわかる。だけどそうでないところでちゃんと生きている人たちは大抵才能や何かに長けている人がほとんどだとも思う。

ただ、普通になってみたかった。

 

若者向けのハロワに通った。ハロワの職員は皆優しかった。

何社か面接を受け、落ちた。

新卒カードを自ら捨て、目標もなくちゃらんぽらんに生活していたわたしに中途採用をくれる会社には出会えなかった。

バイトを辞め無職の状態で就職活動を始めたので、当然焦りが出てくる。

やがて持ち駒(という単語がとても嫌いだけど)が尽き、わたしは半ばヤケクソで応募した会社に面接へ行き、そしてその場で採用された。

 

その会社とは、小さなパン屋である。

 「月金9-18」「正社員」「OL(会社員)」この中で当てはまるのは「正社員」のみだ。

ハロワに就職活動終了の一報を入れた際職種を聞かれ、エッ??!と驚かれてしまった。事務を目指していた人間がまさかパン屋の正社員とは。そうでしょう。

 

パンが好きだった。あとは勢いで応募したら受かってしまった。

ハロワ職員だけでなく周囲の人間みんなが驚いたが、わたしなりにこじつけた正当な理由もいくつかあった。

まず第一に、わたしは正規雇用OLへの憧れと同じくらいに、前述の「そうでない人間」、つまり才能や何かがある人たちへの憧れも持ち続けていたこと。

また、とんでもない飽き性なわたしが唯一好きでい続けていることは食べることであり、好きなことを仕事にするというのをやってみたかった。

 

身内にパティシエがいるためパン屋の労働環境が相当ヤバいというのは知っていたし、実際面接でそのようなことも伝えられた。

しかし面接に落ち続けていたわたしはこう考えるようになっていた。

今まで適当に生きてきて、あの過酷なシューカツにも参加しなかった人間がまともな環境で働く資格はないんだ。ボーナスとか欲しかったけど、あれはシューカツを頑張って内定を勝ち取った人が貰えるものなんだ。

今書いてみると悲惨さしか感じられない思想だけど、当時はなんだか悟りのように、ポジティブにそのことを受け止めていた気がする。多分、パン屋がわたしを雇ってくれたことが色んなことを帳消しにしていた。

 

パン屋になろうと決めてから、わたしはかつてないほどポジティブになった。これまでの人生で一番楽しい時期だったかもしれない。

まず、twitterをやめた。

死にたくても死ねない人、人生がつらい人がたくさんいるtwitterはとても居心地がよかったが、たくさんの言葉が呪詛のようにわたしの精神に悪影響を及ぼしているのも薄々わかっていたからだ。

twitterを見ないようにしたら、自然と死にたい、つらいなどと思うことが減った。

ずっと続けていたバイトの同僚たちから結構いい感じで送別された。 

twitterを辞めて暇になった時間を、数少ない友人と会う時間に充てた。

周りの人はみんなやさしかった。

twitterのTLに溢れる世の中の本当のところや人間の本音ばっかりに囚われすぎていたんだなと感じた。

社会ではみんなそれを隠している。でもだから、こんな自分にやさしい人たちもいる。

毎日他人を呪うツイートばっかりしてたわたしは他人への感謝を知った。25才で。

 

ちなみに丁度この頃、逃げ恥が世間を賑わせていた。

twitterをやっていた頃はあらすじだけみてウッ無理……と思って見ていなかった。そもそもtwitterばかりやっていたのでテレビを余り見ていなかった。

暇になったので逃げ恥を見始めた。

どハマりしていた姉と毎週LINEで実況しながら見た。すごく楽しかった。

逃げ恥というドラマを自分が楽しめるようになったことが嬉しかった。

 

とにかく、twitterをやめてからわたしの調子はよかった。

 twitterやめたら人生変わったwwみたいな本を出せるんじゃないかと思ったほど。

 

そして1年後、わたしは精神を壊して会社を辞め、またtwitterを始めた。

長いです。続きます。