不安溜め
大学生の頃、いっときカフェ巡りに挑戦していた。コーヒーはそこまで好きじゃなかったけど、わかりやすくおしゃれな気分になれるのが好きだった。
その頃から知っていた喫茶店だけど、その頃の自分は「喫茶店」でなく「カフェ」が好きだったので行ったことがなかった。
これを書いている今、とても居心地がいい。
知らないピアノのBGM、ごちゃごちゃなのか整然なのかわからない具合に並べられたカップや小物。
注文しようとキョロキョロしていたら、少し怖そうだけどとても所作の美しい店員さんがこちらに気づき、声も出さずに目だけで注文を促してくれた。
熱々のカフェオレもまた無言でトンと差し出される。
きっと大学生のわたしがここに来たら間違いなく居心地の悪さを感じていただろうと思う。
まず店員さんが怖いし、なんかおざなりに接されているなあと感じてしまったかもしれない。
だけど今は、このほっとかれている感じが逆にとてもいい感じだ。
ここ最近本当に元気だ。
疲れるときや、落ち込むときはあるけど、ちゃんと回復もする。
この間の通院ではお医者さんには薬を減らそうか、と提案された。それはまだ少し怖くて、言葉に詰まっていたらまあ減らすのはいつでも大丈夫だよ、と言ってくれた。ありがたい。
仕事もなんとかこなしているし、平日少し家事をできたりする。余裕があるな、と感じる。
余裕があるな、と感じたことなんて今までなかったかもしれない。
余裕があると本当に色んなことができる。そして、余裕があると逆に「しない」ことも選択ができるのだと気がついた。
将来のことや、自分のことなど考えなくてはいけない(と思い込んでいた)ことを、ここ最近あまり考えない。
わたしの場合、別に考えようが考えまいが行動に移すことがほぼないので、結果特に困らない。将来困るかもしれないけど、今不安になることのほうが困る気がしている。
多分またVの字みたいに落ちてしまうときが来るので、どうせならそのときにまとめて不安がっておきたい。
寝溜めみたいな感じで、不安溜め。