6月になった。
去年の6月といえば、雑貨屋のバイトをやめた月だ。半年くらいしか働かなかったけど、毎日毎日毎日毎日バカみたいにつらく苦しい気持ちだったのを思い出す。
そして確か、辞める直前くらいにサインバルタの服用を始めた。ということはもうすぐ精神が上向きになってきて1年。サインバルタにお世話になって1年になろうとしているようだ。
この1年、どんどん気持ちが楽になった。
というか、頭がどんどんぼんやりしてきて、空っぽになっていった。
気持ちが楽になったのはつらいこと自体が減ったというのもあるけど、それ以上に、つらいと感じる器官が麻痺したことが大きいと思っている。
わたしもそうだけど、病院にかかるくらいのメンタルの持ち主というのは良く言えば(良く言えてるかわからない)繊細、悪く言えば考えすぎる人が多いと思う。
近頃はもうなにごとも深く考えられない。いいことも悪いことも。
脳みそが考えることを勝手にやめてしまう。
これを人に話すと、「それって怖くない?」とか「いいことなの?」って言われる。
たまに精神科を忌避する人が「薬漬けになりたくない」と言うのをみるけど、わたしはすでにその状態かもしれない。
それでも、わたしにとっては悪いこととは思えない。
そもそもなぜみんな、薬漬けになりたくないのだろうか。
感覚を鈍らせることのなにが怖いのだろうか。
わたしが元々持っているのは天才のそれどころか、世間からズレたところも多い不便な感覚だ。必要以上に考えすぎて自分を苦しめる脳みそだ。
自分を一番苦しめるのはいつも自分であり、それをぼんやりとさせることで他人に迷惑をかけることなく(かけているのか?)つらくなくなるのだからいいじゃんと思う。
個人の考えです。
とはいえ虚しさもある。
世の中の健常な人たちは、そうじゃない人たちに比べて多分いろんなことを考えすぎていない。
わたしも今は考えすぎていない。
それでも、健常な人とわたしの間には深い溝があり、決して埋まることはない。
何をしようがわたしが健常な人になることは不可能だ。
砂時計の空っぽになった上の部分みたいだと思う。砂みたいにきれいなものは入っていませんでしたが。