仮釈放
日曜日。
これほど解放感につつまれた日曜日がかつてあっただろうか。解き放たれ、自由だ。
応募した会社のweb面接が昨日終わった。事前練習では問題なかった音声が乱れて困ったり、久しぶりにスーツを着てみたらぱつんぱつんになっていたり、落ち込むこともあったけどわたしは元気です。
今週中には結果の連絡がくる。落ちたらひどく落ち込むだろうし、受かっていたら最終選考に向けてひどく落ち込むだろう。どっちにしても巨大な憂鬱が待っていることはわかっているので、それが来るまではなるべく頭を空っぽにしてだらだらと過ごすことにした。
無意味に楽しい時間を過ごしたくて、朝からスパイダソリティアに勤しんだり、腕の中でスースー寝るねこを眺めたりした。
そのあと読めずにいた本を読んだ。読めずに積んでいた本を読むなんて、日々の忙しさに追われるまともなみんなみたいだなあとなんか嬉しくなる。
くどうれいん「うたうおばけ」と、図書館で借りた村田沙耶香「となりの脳世界」。どっちもおもしろくてすごいスピードで読み終えた。
エッセイがやっぱりすきだ。
日常の出来事や、日々感じたことが作者によってうまく拾われ、作品に昇華される。2冊ともまるでフィクションのようなおもしろさがあって、それでいてしっかり地に足がついた日常という感じもある。2冊の作者は二人とも世界の常識に疑問を感じた経験がある人、というのが伝わってきて、でもそのなかで腐らずにちゃんとがんばって生きているなあと思わせるところが、地に足がついていると思ったところ。
本を一気にたくさん読んだので、つられて(?)たくさん文章を書いてしまった。
あと何をしようかな。
最近アクリル絵の具で絵を描きたいっていう気持ちがずっとある。水彩でなく、透明度のないあのアクリルでベタベタとキャンバスを埋めたい。画材を買いに行こうか迷う。
迷わないでやればいいのだが、なぜ迷っているのかというと絵が下手だから。
絵が下手、という事実を突きつけられるのが嫌で想像だけで済ましている。こうして想像ばっかりが理想的につくりあげられて、ますます現実とのギャップが生まれる。
結果そのギャップに苦しむのは自分なのにな。
やっぱりわたしは理想が高すぎる。たまに他人にも言われる。どうしたら自分の身の丈を受け入れられるのだろう。
ふつうに日記を書いていたつもりがなぜかネガくなった。
でもこれもやりたかったことなのかもしれない。
仮釈放のつもりでこの5日間を過ごします。